耐雪設計の積雪テント倉庫なら、雪が積もっても大丈夫
テント倉庫では雪下ろしはできません。したがって一定の積雪により自然に落下するように屋根勾配を設定しております。テント倉庫の積雪は一定量に達すると一気に両側面に落下するため、出入口の位置やテント倉庫どうしの設置間隔、建物との間隔等を考慮した計画が必要です。
- 屋根勾配を検討します。(標準では20/100に対し、30/100以上)
- 鋼材のサイズとトラス巾の検討をします。
- 積雪荷重を支える布基礎の検討をします。
多雪地域とは
多雪地域とは、建築基準法で定められている「垂直最深積雪量が1m以上の地域」のことです。建築物の設計時には、積雪荷重も加味する必要があります。(例:積雪30cmの場合、約61kg重/m2)基準となる垂直積雪量は、全国423地点の気象官署にて収集された過去50年の積雪深データや標高などから定められます。
積雪テント倉庫は、どこが違うの?
積雪テント倉庫は、通常テント倉庫とは異なる骨組みでテント上に積もる雪に耐えられるよう設計されています。
日本では概ね東北と日本海側で毎年30cm~数mの積雪があり、それらの地域では特別仕様のテント倉庫が用いられます。
積雪テント倉庫は使われる骨組みやシートの材質が違います。屋根に積もった雪に耐えなければいけないので、太い骨組みと丈夫で厚いシートを使用しています。また、屋根の勾配を急にすることで、雪を滑りやすくすることもあります。屋根の勾配が急であるほど積雪量が減るので、荷重が少なく計算できます。荷重が多いほど丈夫な骨組みやシートを使用しなければいけないので、コストがかかります。屋根の傾斜を変えるのはとても簡単なコストカット法なのです。
積雪テント倉庫の設計について
建物の設計時に必要な強度計算は「固定荷重、積載荷重、風圧力、地震力、積雪荷重」によって求められます。積雪荷重については、その基準となる垂直積雪量が地方ごとに決められています。同じ市町村内でも異なる場合があるので、建設予定地ごとに事前に調べる必要があります。
屋根雪だけじゃない!
積雪テント倉庫の注意点
積雪地域のテント倉庫で気を付けなくてはいけないのは、屋根の上の雪だけではありません。屋根から落ちた雪が外壁の周りにたまると、テントの壁面を圧迫してテント倉庫が壊れてしまうことがあります。そのため、テント倉庫の周りに建物がある時などは、雪かきができるスペースをあけて設置します。